中国・伝統武術と闘う男
NHKで見たドキュメント番組です。
中国伝統の武術、太極拳とか少林寺拳法とかは実戦性がない、本当の格闘技としては役に立たない、あれはウソだ! と罵倒し、中国で欧米式な総合格闘技(MMA)のジムを開く男が、次々と武術家たちを倒し、実力を認められていく。
まるで昭和の極真空手の創始者、大山倍達みたいなエピソードですね。
しかしこれが逆に「伝統の武術を汚す愛国心のない男」として当局から目をつけられ、ネット上で存在が消されてしまう(SNSが勝手にアカBANされ、検索にも名前がかからないよう操作される)までに至る。
男に負けた武術家とか、実力はなくてもネットのヘイト発言でアメリカやインドの悪口を言い、中国の伝統を守る面白い人として人気者になっていく。
正義の人の告発は、いつだって巨大な欺瞞に潰されていくのだなあ、という展開なんですが
ここで男は活路を見出す手段として、タイに渡り、正体がわからないように顔にペイントをして名前を変えてリングに上がり、ムエタイの選手と総合ルールで闘って勝ったりします。
しかし「ほんとはこんなことやりたくないんだ」と言い、中国に帰って、あくまで中国武術への批判を続けていく、という。
で、見た感想として、プロレス・格闘技ファンであれば、「もう中国なんて捨てて、最初から外国で活動すればいいんじゃね? 実力あるんなら」と誰もが思うんじゃないかと。
本名と関係ないリングネームつけてペイントファイターとして闘って、勝ってけばスター選手になれるだろうし、もっと広い世界に出て行けば? シンガポールなら中国語も通じるし、ONEとか出てみたらいいのに。
て普通に思いますよね。まあ年齢が41歳だから、そこまではもう無理なのかもしれないけど、そのへんどうなってるのか。今後の続報に期待します。