かとうけんそうのスポーツ観戦記

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ジェイク・ザ・スネイク・ロバーツの人生

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ジェイク・ザ・スネイク・ロバーツは、80年代〜90年代にWWE(世界最大のプロレス団体)で活躍したレスラーで、その名の通りに本物の蛇を持って入場することで知られますが、レスリングも上手で、DDTという技を最初に広めたパイオニアでもありますね。ja.wikipedia.org

 

1999年に制作されたドキュメント映画ビヨンド・ザ・マットは、WWEの裏側を丹念に取材した作品で、様々なレスラーのインタビューや生活描写の中で、ロバーツがベテランになって、落ち目になってドラッグに溺れ、家庭崩壊して、娘にも愛想をつかされる様子なども描いています。

この映画では、現在はドゥエイン・ジョンソンとして人気俳優になっている、当時は「ザ・ロック」と、当時は「マンカインド」という名前で、現在は作家として活動中のミック・フォーリー、が対戦する試合の舞台裏も暴露していて、試合前日の打ち合わせ風景も撮影している。つまりプロレスはリアルファイトではない、台本のある世界、ということを初めて公式にカミングアウトした作品でもあります。

ビヨンド・ザ・マット - Wikipedia

しかし、より話題になったのは、前述のロバーツの人生の顛末の「泣かせる部分」で、なんと、このエピソードに影響を受けて、年食って落ち目になったプロレスラーを描いたフィクションの名作映画ができてしまいました。

2008年、ミッキー・ローク主演の「レスラー」です。

レスラー (映画) - Wikipedia

ミッキー・ロークはもともとプロボクサーのライセンスも持っていて、日本のリングで試合したこともあり、身体はできている。

ミッキー・ローク - Wikipedia

80年代は二枚目スターだったのに、年食って俳優としても落ち目になっている、という、これまた本人自身の境遇にシンクロする話題もあり、ヒット作になりました。ミッキー・ロークもアカデミー主演男優賞にノミネートされるまでに。

その後、ロークはWWEにゲスト出演したりして、よけいに現実とシンクロしてしまう。

映画は、どんなに落ち目になっても、やっぱりプロレスはやめられない!というエンディングでしたが。

一方、ロバーツがその後どうなったか、を追ったドキュメントも作品化されていたので、見てみました。これは知ってる人は少ないと思う。アマゾンプライムで見れます。

https://www.amazon.co.jp/dp/B089NJSSZY

「Resurrection of Jake The Snake

という2015年の作品。↓ Wikiは英語版しかない。

en.wikipedia.org

やはりロバーツはヨレヨレで、プロレスもできずに弱っているんだけど、そこへ手を貸してくれたのがダイヤモンド・ダラス・ペイジです。 通称DDP。技名のDDTとまぎらわしいね。ペイジと書くと女子レスラーにもペイジがいるし。まあDDPにしますが。ja.wikipedia.org

 

DDPはロバーツより少し下の世代で、90年代にWWEのライバル団体だったWCWで活躍したレスラーです。引退後はDDPヨガというフィットネス系のジムを作って成功した。

そこでロバーツにジムに住み込ませて、酒やドラッグを抜かせて、健康的な生活をさせて、プロレス界に復帰させる手助けをするのです。

もう、どっちかというとロバーツよりも、先輩をリスペクトして再起させようと一生懸命なDDPのほうの苦労が中心に描かれてる感じ。

そして、ロバーツが途中でリハビリに挫折して、また酒を飲み始めるとか、もうひとりの先輩大物レスラーとして、やっぱり酒とドラッグで身体がボロボロになってるレイザーラモンことスコット・ホールもジムに転がり込んできて、という、まるでフィクションのような面白い展開。

ja.wikipedia.org

それで結局、みんなで努力を重ね、トレーニングとリハビリに励んだおかげで、ロバーツもホールも無事、健康な身体になって、体力も回復し、プロレス界にもレジェンドとして迎えられ、プロレス殿堂入りするというドラマチックすぎる結末。現実のほうがウソみたいにキレイごとすぎる!

そしていちばん印象に残るのは、ほんとにDDPはいい人だなあ、という。どっちかてと、DDPの物語なのでは? という感じもしましたが、とにかく20〜30年前のアメリカンプロレスをよく見ていたおっさんたちにとっては必見の、泣けるドキュメントでした。