かとうけんそうのスポーツ観戦記

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2020年12月31日 大晦日格闘技を振り返る・RIZIN編(長文)

で、まあRIZINなんですけど、MMA(ミックスド・マーシャル・アーツ)とか総合格闘技とかいう言い方をしたって、大半の方はそんなにプロレスと区別つかないですよね?

普段プロレスを見てくれない、うちの息子たちも「これはガチなんだろうなあ」とか言いながら「どういうルールなの? 寝技はあるの?」とか聞いてくる。

世界的には、こういう試合は今、全部ケージ、金網の中でやってるんですよね。

それでボクシングコミッションと同じ管轄でやったり、アマチュア競技ともリンクして競技性を高めようとしている。ロシアとか五輪競技にしろ、て言ってる。

日本だけ、いまだにリングでやって、話題性優先のマッチメークをしてるんだから、プロレスの延長と思われても当然だと思うし、主催者もそれでいいんだろう。

ていう割には、詳しくない人にも多少、理解は進んでるとも思うけど。

でも、思い出す20年前のさいたまスーパーアリーナ、最初のK-1対猪木軍の時代は、事前のアオリ番組のときからピリピリした緊張感があったな〜。あの気分は、今とは比べ物にならないな。

かつて、ほんとに格闘技ブームと言われたときは、K-1もPRIDEもヘビー級がメインだった。90キロ以上。桜庭は違うだろ、つってもライトヘビー級で、80キロあった。

2000年代後半以降、魔娑斗や山本KID、五味や青木なんかがメインになって70キロ以下、ミドル級、ライト級、フェザー級バンタム級、と体重が下の試合が中心になっていった。

だから日本人選手がメインになって、身近な感じで盛り上がったともいえるし、世界の強豪が集まるスペクタクルが無くなった物足りなさも感じましたね。プロレスファンだから、そう思うのかな?

だいたい試合中は気づかないけど、試合後とか、ラウンドガールや、花束贈呈のゲストよりも、ちっちゃい格闘家を見てると、なんか寂しいよな。

とはいえ、アメリカのUFCも、最初は重量級ばかりスポットを当ててたけど、今はコナー・マクレガーの活躍などもあり、軽量級がメインの興行が中心になってきた感もあるからいいのか?

などと思いつつ、軽い階級のボクシングにめずらしく興奮した後で、

今年も大晦日RIZINを見始めました。

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第1試合 ミノワマン vs. スダリオ剛(120kg契約)

かつてパンクラスで活躍した美濃輪ですけど、ミノワマンに変身してからは無差別級の試合でたくさん結果を残している。

そんなミノワの試合なのに、120キロ契約、などという中途半端な設定なのか。と、誰もが疑問。結局、スダリオ(元・貴ノ富士)は114kgで、ミノワは82kgですよ。30キロ以上の差。無差別級でいいじゃないか。まあヘビー級とも言っていい試合。

まあ体重差よりも年齢差が気になるよな。もう40過ぎてしまったミノワと、まだ20代のスダリオと。

前みたいに倒して足関節で、ミノワがあっさり巨人をやっつける、みたいな展開も、もう無理だろうなあ、と思ってたら、案の定、3分で、ローキック2発で動けなくなってしまった。最後はゆるいパウンドをレフェリーが止めてKO負け。

高阪剛が「カーフキックですね!」つってたけど、その言い方、もう定着してたのかな? なんかプロ野球が突然、メジャー流にツーシームとかフォーシームとか言い始めたときと同じ印象。

カーフってむしろ、AJスタイルズのカーフキラー(今はカーフクラッシャー)で印象に残ってた。

ふくらはぎに当てに行くキックなんて、ミノワも今まで格闘技人生で何百回も受けていただろうに。やっぱり、体重差がこれだけあると、キックの威力が違うのか、それとも年のせいなのか。。

と思ってたら、まったく同じような試合展開で、もっと若い選手がやられてた!

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メインイベント

第15試合 RIZINバンタム級タイトルマッチ(61.0kg)
朝倉海 vs. 堀口恭司

いきなり最後の試合に飛んでしまいますが、この試合も、あっけなく2分で、カーフキックで決着がついてしまった!

王者・朝倉海が、堀口恭司のリベンジを許してしまいました。

これも最後はパウンドになりかけて、レフェリーが止めた感じ。

もう、ふくらはぎを3発蹴られて動けなくなった。体重差のない試合で、20代前半の朝倉が。

高阪剛も「これカーフにくらったら3発くらいで動けなくなりますよね〜」と平気で言ってた。

これまで長年、格闘技を見続けてきた、我々にとっては「?」ですよ。

今までローキックの攻防とか、普通に序盤の軽い牽制として見てて、防御の技術体系もさんざん出来てたと思ってたのに、こんな簡単にローキックだけでKO決着できる試合ってアリなの?

アリといえば、モハメッド・アリ。

総合格闘技MMAの原点といえば1976年、アントニオ猪木対モハメッド・アリ戦では、猪木はスライディングしながら、執拗にアリのふくらはぎを何十発も蹴り続けた。

ラウンドごとに、アリのふくらはぎがムラサキ色に腫れ上がっていくのをドキドキしながら見つめたものですよ。

しかしアリは15ラウンドの最後まで1時間、倒れず立ち続けたし、痛がるそぶりもなかったね。

いや、44年経って、原点回帰、今のキックの技術というのは、そっから進化して、2〜3発でも簡単に相手をKOできるまでになったのですか?!

これまでMMAの戦いの戦略というのは、年を追うごとに高度に複雑化されてきた、と言われてたのに、ここまでシンプルに短期決着できるようになると、今後はどうなっていくんだろう?

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あと、面白かったのは

第3試合 HIROYA vs. シバター

シバターの一本勝ちでしたが、HIROYAはキックのプロとはいえ、シバターも素人じゃないのに、これも体重差が20キロ以上あるのに、MMAルールでやるのは、無理があったね! でも、そこがなんかプロレスぽさもあって面白かったよ。

第7試合 (61.0kg) 所英男 vs. 太田忍

これも年齢差が一回り以上あるけど、ベテランの所が極めの強さで勝った。

一本を狙って、どんどんサブミッションを仕掛けていく所を、力まかせにマットに叩きつける太田の、まだ慣れてない感じも、ほんとにプロレスみたいな、プロレスのリングでの異種格闘技戦みたいな面白さがあったね!

第12試合 五味隆典 vs. 皇治

五味の判定勝ち。これはキックルールだったけど、やっぱ体重差10キロ以上ある試合で、でも五味のほうが年取ってて不慣れなルールということで、最初はエキジビションだったのに、判定もありの試合になってて、不思議だよな〜。

第13試合 (68.0kg) 朝倉未来 vs. 弥益ドミネーター聡志

ドミネーターということで、グレート・オーカーンとコラボでもあるかと思ったけど、それはなかったな!

しかし未来があっさりKO勝ちしたように見えるけど、フィニッシュ前のシーンで未来の頭が弥益の顔に当たったバッティングが案外効いてたんじゃないか、って気もする。

まあ弥益は言い訳もしないし、できなかったろうとは思いますが、もう1回チャンスがあってもいいね。

てことで、まあ今年のRIZINは、やはりプロレス寄りな感じで面白かったとはいえる。

メインの試合前の、湘南乃風の人の国歌斉唱=君が代も、最近ちょっと聴いたことのない調子で、かなり面白かったw

次のRIZIN新庄剛志や、元・西武の相内誠なども出てくるんだろうか?

それとも世界標準の競技化を目指すのか? でもケージマッチはもうやらないだろうな。キックルールともチャンポンでやるし。ていうイベントの成立のさせかたで興味を引っ張れるんだから、興行のやり方がまた伝統芸能化、硬直化してきたプロレス界から見れば、うらやましくもあるだろうな。(この項終わり)