本当の初代タイガーマスクとは?
CSテレ朝の蝶野の番組で「初代タイガーマスク特集」をやってて、獣神サンダー・ライガーと山崎一夫と4代目タイガーマスクがゲストで、昔の初代の試合を見ながら歓談する、という企画だった。
その中で蝶野の発言に「当時、版権の問題とかどうだったのかな? タイガーマスク、日テレでしょ」とあって
4代目タイガーが「いや原作の梶原一騎先生からの持ち込み企画だったんですよね」と答えていて
その問題に関して、特にテロップでの説明もなく、スルーされていたようだった。
会話を聴いてると、ぼくと同世代の、蝶野やライガーも、子供の頃に見ていた1969年〜1971年に日テレでオンエアされていた「タイガーマスク」が、現実のリングに現れたもの、と勘違いしていたようだった。一世代下の4代目はわかってると思うけど説明不足だった。
「タイガーマスク」の原作漫画は1968年〜1971年に講談社系の「ぼくら」や「少年マガジン」に連載され、日テレでアニメ化されていましたが、
10年後に、その続編の「タイガーマスク二世」が1980年〜1981年に「増刊少年マガジン」で連載され、テレ朝でアニメ化されることになり、1981年から放送が始まるのに合わせタイアップで、テレ朝でやってた新日本プロレスの中継にも現実のタイガーマスクを出そう、と佐山聡がタイガーにされたわけで、
佐山の「初代タイガー」は、ほんとは「タイガーマスク二世」なんですよね。
マンガ版の中の人も伊達直人ではなく、伊達直人の意志を継ぐ「亜久竜夫」なんだよね。
なので初代タイガーの入場テーマも「タイガーマスク二世」の主題歌だった。
そのことは、この番組では説明されてなかったね。
そして、佐山が新日をやめてUWF行ったり、
猪木と梶原一騎が個人的に裏でいろいろモメて袂を分かった末に
梶原は企画をライバルの全日に持ち込んで
(このへん、いろんな暴露本があって、詳しい方はたくさんいらっしゃると思いますが、そこは細かく追求してません〜)
1984年に、全日で三沢光晴による「二代目タイガーマスク」の誕生となる。
当時、猪木から離れて馬場に接近した梶原に対して記者が
「今、夢の対決、馬場ー猪木戦が実現したら、どうなると思います?」
と問いかけたら、梶原は
「もう、どっちも年取っちゃったから、どっちも弱いよ。昔は強かったけど、今なら猪木のほうが弱くなってるかもな」
と馬場にヨイショした発言をしていたのを思い出すよ。
しかし日テレは、だからと言って、全日本プロレス中継に合わせて、新しくまたタイガーマスクのアニメを始めるでもなく、オリジナル版アニメの再放送に力を入れるでもなかったけど、とりあえず三沢タイガーの入場曲には「白いマットの〜」の最初のアニメ版のテーマ曲を、寺内タケシがギターアレンジしたインストバージョンを使っていた。
つまり二代目タイガーのほうが、最初の日テレ版タイガーマスクに近いイメージだったから、ほんとはこっちが初代で、佐山は「二世」だ! と言っても間違いではない(言いがかり。
CSの日テレ系ジータスでは昔の全日本プロレスもずっと再放送していて、佐山と比較されてイマイチとされていた三沢のタイガーの試合も今見るとじゅうぶん面白いよ。
にしても前述の蝶野の番組も、三沢タイガーはしかたないにしても、ライガーと関わりの深い三代目金本タイガーについて一切言及されてなかったのが、かえって根深いものを想像させて、そっちのが興味深いね。
ちなみに梶原一騎没後20年の2016年にまた続編アニメ「タイガーマスクW」がテレ朝で制作され、新日のリングにも飯伏幸太がタイガーマスクかぶって登場したりしたんだけど、アニメのほうが「えっ、あれから50年経ってるのに、まったく絵の技術が進歩してない、あんまり絵が動かない!」て衝撃を受けました。
これは、わざわざオリジナル版の雰囲気を忠実に再現しようと努力して、昭和っぽくしたらしいんだけど、やっぱり予算削減でああなったのでは・・?、と今でも疑ってますw